今日の健康
health today
取り巻く環境が与える将来の健康寿命
2025年7月26日 ― 2004年に欧州連合統計局に導入され、以来毎年算出される欧州構造の指標の一つに、無障害平均寿命(DFLE)またはサリバンの指数としても知られる健康寿命指標があります。
これは、健康期待値として知られる健康人口の評価手段の一つで、健康人口全体の一つの指標を表す、死亡率と罹患率の統計を組み合わせた健康度合いの複合尺度です。
その中で、人が障害のない特定の年齢まで生きると予想した測定値として同欧州連合統計局が公表している2019年度の日本人の健康寿命とその平均寿命は次のようになっています。
健康寿命(平均)女性:76歳(1943年生れ)、男性:72歳(1947年生れ)
平均寿命 女性:87歳(1932年生れ)、男性:81歳(1938年生れ)
厚生労働省が公表している2040年度の推計平均寿命
平均寿命 女性:89歳(1951年生れ)、男性:83際(1957年生れ)
これらの人たちは、食料や生活物資が十分に手に入らなかった太平洋戦争の戦中戦後の悲痛な時代を生き抜いてこられた人々であり、彼らは制限された食糧事情のさ中にありながらも当時の産業復興の機運の高まりと、変動する時代の皮肉が生み出したのであろう出現するさまざまな娯楽への遊興により差し込む未来への明るい希望に照らされながら勤勉に働く親たちの手で教育され、そして育てられてきた人々です。
今日巷では、医療技術が発達したおかげで、人の平均寿命や健康寿命はまだまだ伸びると言われています。しかしそれは本当でしょうか?
戦中戦後の食習慣や運動量を自分の生活習慣にしている人たちとまでは言いませんが、節度のある食習慣と適度な運動の習慣を心がけておられる人は確かに医療の恩恵を受けて寿命が伸びるかもしれません。しかし、現在の多くの人たちには、昔から推奨されるべく語り継がれる「腹八分目食」と「適度な運動」というこの二つの健康的な生活習慣がありません。
日本では特に1970年代から飽食の時代に入ったと言われており、運動不足が語られるようになったのも最近のことではありません。
そうした背景を色濃く漂わせながら、体の痛みやコリなどの違和感を主張して当院を訪問される方は、概してBMIが22から上に大きく振れておられる方が多く、BMI22に近い標準体格の持ち主の人でさえ、腰痛や下肢の問題を抱えておられる方が少なくありません。
また科学技術の発達に伴って生産される化学産業由来の化学物質による地下水、大気、海洋、河川、そして土壌への環境汚染が徐々に進行しており、私たちはそこからの飲み水や食べ物そして呼吸や暴露を通して、昔はなかったような化学物質の危険性と、地球温暖化による健康への脅威に晒されているのです。
現在市販されている加工飲料や加工食品のほとんどの商品には、様々な種類の防腐剤や増粘剤、着色料などが混入されています。
また、生物に有害な作用を引き起こす化学物質を見つけては、それを人に適応させるために研究が重ねられ、面白いことに、その一部は疾病検査で引っかかった異常な数値を健康な数値に戻すための「治療薬」として市場に流されてさえいるのです。
そうした医薬品を摂取した人がまれに、明示された副作用を引き起こし、確かな因果を主張できる深刻な健康被害を理由に訴訟を起こしたとしても、残念ながら、医薬品として認可された時と同等のエビデンスによる手法をもって判決が下されることはあまりありません。
飽食時代の中で運動不足と同居して生活している一部の人たちは、上記で触れたさまざまな化学物質に囲まれ、またはそれを服用した生活を送りながら、貧弱な体や体重過多を原因とする足腰のつらい問題と格闘しておられ、中には、運動不足による筋力低下と筋肉の萎縮からくる高齢者特有のあの様相を一早く呈示する人もいるのです。
こうしたことを考えると、健康に不利な環境の下で生活する今働き盛りの彼らの、その世代の健康寿命や平均寿命が果たして伸びるものなのかどうなのかといった疑念が自然に浮かび上がってきます。
ちゃんとした証拠はなくても、もこうした要因が平均寿命に有利に働くことがないことは確かでしょう。
この記事が伝えたいことは、健康で長生きしたいと願っておられる方々が、自分たちは進歩した現代医療の恩恵を受けて先人たちより長生きすると思っている人に、今一度見直して頂きたい現実の一コマであり、これをもって、健康寿命を左右する主要な要因である食と運動の生活習慣と、医薬品の安易な適用を見直す機会となっていただけたら幸いです。
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